相良知安の自筆回想録『祭之記』(相良家所蔵)を、紹介して公開します。知安は冒頭に、「先師ノ遺命ニ依リ、茲ニ我カ家二百余年相伝ノ秘書ヲ封シ、以テ宗家祖神ノ位ニ配シ祭ルノ記」と記述した自叙伝的な回想録です。表紙裏には、相良家本家(相良柳庵家)と三支家(相良養伯家・相良養元家・相良栁蔭家)の系図が掲載されています。 本文は、相良柳庵家の先祖相良長安(初代柳庵)から七世柳庵まで代々系譜の記述から始まっています。医家である相良家は、代々「柳庵」と名乗りました。相良知安(弘庵)の父は、相良長美(六世柳庵)であり知安は三男として出生しました。長男の安定が、本家を継承し七世柳庵を名乗りました。三男だった知安は、支家の相良養伯家系統の医家の相良春榮(福好)家へ養子となったのです。
内容は、相良家先祖の系譜や佐賀藩の医学史及び、自己の履歴・医学修行・人生観・医学観・世界観などを記述した自叙伝的な回想録です。
特に、相良知安独自の発想と思想である「護健使」(くすし)」について記述しています。「護健使」(くすし)の詳細については、既に本HPの「史料・史跡集」のなかに、【相良知安と「護健使(クスシ)」思想を紹介します】のページに詳しく紹介していますので、閲覧をお願いいたします。
次に本史料の執筆年代ですが、年号等の記載がなく不明であり、特定が出来ないのが残念です。今後の本史料研究の深化を待ちたいと思います。
さらに本HPに公開しています「史料・史跡集」のなかの【『相良知安翁懐旧譚』(医海時報連載:明治37年)の公開・紹介
です】と併せて閲覧下されば、佐賀藩の医学史と相良知安の詳細な履歴・医学修行などが判りますので、相良知安研究には是非お勧めいたします。
「祭之記」への検索・アクセスは、
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